勉強や仕事中、音楽を聴きながらの方が集中できる、という人がいます。
半ば自己暗示でしょ?と思うかも。ですが「Mic」の記事によれば、どうやら音楽が脳に与える影響が科学的に証明されてるようです。
勉強や仕事に「音楽の効果は絶大である」としてーー。
効果はリラックスだけにあらず「認知能力」が高まる!
音楽が脳に重大な影響を及ぼすことは、すでに以前から知られていたこと。適切な音楽を聴くことで気分を変える効果があり、ストレスを解消して、生活の質の向上をさせることができると考えられてきました。
ところが近年、単に気分だけでなく、より深い影響を脳に与えることが研究によって示されました。
音楽を聴くことで「認知能力」が高まることが証明されたのです。さらに、実際に楽器を演奏することでも記憶力を高めることができるのだとか。音楽が人間の脳に与える影響の大きさが解明されつつあります。
音楽を聴いた方が集中力もUPする!?
スタンフォード大学が2007年に実施した研究によると、音楽は学習能力だけでなく、集中力も高めることが判明しました。
研究を指揮した精神行動科学のVinod Menon助教授は、以下のように述べています。
たとえばコンサートのような状況では、個人が注意をさまよわせながら1つの音楽を聴きます。しかし、音楽の動きの間では彼らの注意力は惹きつけられます。音の動きの中にある旋律の変化に対応し、人間の脳内の状況を劇的に変えることが、理想的な学習環境を作り出しているのです」
メロディや音の微妙な変化をリスナーが感知するように、周囲環境への集中力も自然と増加していく、ということのようです。
研究の共著者であるDaniel Leviti氏が提唱するように、この研究結果はまた、
なぜある人々が「カクテルパーティー効果」に打ち勝つことができるのかということも説明しています。
カクテルパーティー効果とは、多くの会話が飛び交う群衆の中でも、目の前の人との会話は聞き取ることができるという能力のこと。
この理由は、私たちが音を処理して必要な情報だけを再構築することができるためと考えられています。
授業中BGMがあった方が効果的という意見も
また、音楽には「学習した情報を維持するにも効果的」とする見解をジョンズ・ホプキンス大学の研究者らは示しています。
質の高い大学は、学生たちに積極的に学習させ、記憶力を向上させ、集中力を増加させるためにも、
教室環境に音楽を持ち込むことを提唱しました。
「授業中または新しいコンセプトを学んでいる時に音楽を流すという、積極的な学習経験では、音楽は学習活動のためのある種サウンドトラックとしての効果が得られます。サウンドトラックには、身体的または感情的に、情報に対する人間の関心を高める効果があります。また音楽による集中力増加により、語彙や本などにさらに没頭することも。情報がリズム、そして音楽的要素による旋律に結びつけられることで、学習内容を思い出すきっかけになるのです」
この分野の専門家Chirs Boyd Brewer氏は、著書『Music and Learning(音楽と学習)』の中でこう説明しています。
音楽を上手に使いこなして集中力と記憶力を高めよう
学習に音楽を組み込むことで、集中力が高まり、さらにその状態を長時間維持するのに役立つ。
以前まで小学生だった子どもは、学習するために使われた歌や賛美歌を簡単に思い出すことができます。
ユニークなラップやメロディーを使い、楽しく新しい情報を記憶することができる歌もあります。このような歌によって、すべての生徒に学習内容を記憶として維持できるのです。
試験のために必死で勉強している時にクラシック音楽を聴くことや、新しいプログラムやコンセプトを学ぶ時に新しいプレイリストを試してみることなど、何か学びたい時は音楽を聴くようにしてください。
そうすれば、調和のとれた学習時間を生み出すことができるでしょう。